その他の動物
ため池ではトンボ、魚類、両生類のほかにもさまざまな種類の水生動物が見られます。
刺胞動物の一種である淡水クラゲ(マミズクラゲ)は、突然池に出現して話題になることがあります。
ため池でひっそりと暮らしているのが淡水貝類です。二枚貝のドブガイや巻貝のオオタニシ、ヒメタニシなど、大小さまざまな貝たちが生息しています。中でもドブガイは、大人の手のひらくらいの大きさになる貝ですが、泥の中にもぐっていることが多く、普段はほとんど目にすることがありません。池の水が抜かれて池底が干上がったような時に、大量のドブガイが出てきて驚くことがあります。
甲殻類では、スジエビ、ミナミヌマエビ、テナガエビなどが見られます。また、外来種のアメリカザリガニも各地の池で繁殖しています。かつては豊富に見られたスジエビなどは、食料として貴重なタンパク源となるなど、身近な存在でした。
水生昆虫においても、外来生物の侵入、水質及び底質の悪化、植生の豊かなため池の減少などによって、その生息域は確実に狭められつつあります。ゲンゴロウやミズスマシなどのコウチュウ目とアメンボやタイコウチなどのカメムシ目の昆虫が池で多く見られます。
ため池には寒天質のボール状の生物が出現することがあります。これは触手動物に属するコケムシ類の群体です。外来のオオマリコケムシは、時に大きな群体を形成し、ため池管理者にも気味悪がられることがあります。
池にはクサガメやイシガメが生息しています。しかし近年では、都市部を中心に外来種のミシシッピアカミミガメが分布域を拡大しています。