ため池の多くは、川の氾濫原を利用したり谷川をせき止めたり、その水を引き込んで作られています。そのため、ため池で見られる魚は、川の淀みや植物の茂みの中で生活している魚と共通しています。また、水草の繁茂する皿池では、夏季の早朝に溶存酸素濃度が低下し、日中には水温が30℃を超えるような環境となります。そのような池では生息できる魚種が限られてしまいます。
ため池の魚で、最もよく知られているのはフナ(ギンブナ)、メダカ、ドジョウです。メダカやドジョウは、以前には水田や用水路でも普通に見られた魚ですが、ほ場整備や水路の改修などにより、平野部からは姿を消しつつあります。しかし、ため池ではまだその姿を見ることができます。
 
卵を腹に付けたメダカのメス 最近では滅多に見かけなくなったドジョウ
 
兵庫県のため池を代表する魚は、外来種を除けばモツゴとカワバタモロコです。この2種は用水路などでも見られますが、むしろ池で多く見られ、ため池という環境に最もよく適応し、繁栄してきた魚です。
かつては各地のため池で見ることのできたカワバタモロコは、ブラックバスなどの肉食性外来魚の無秩序な放流によって、多くの池から姿を消してしまいました。今では、車で近寄ることのできない山の中の小池などに、細々と生き残っているだけです。
 
絶滅が心配される
カワバタモロコ
ため池を代表する魚の
モツゴ
ため池と川に生息する
タモロコ
 
谷池でよく見られるのがヨシノボリとドンコです。ともにハゼ科の魚で、水底で生活しています。ため池のヨシノボリは、産卵時に海に下るヨシノボリの仲間の陸封型(陸水で一生を過ごすようになったタイプ)と考えられ、現在分類学的な研究が進んでいます。ドンコは大きな口を持つ肉食魚で、水底に潜んで小魚やエビなどを捕らえて食べます。
 
ヨシノボリの湖沼陸封型の一種と見られる
ため池のトウヨシノボリ
大食漢ながら、どこか憎めない存在のドンコ
兵庫県の東播磨地域では
水辺を活かした
新しいふるさとづくり

を進めています
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